パリさんと恵比寿横丁ではじめて出会ったのは数年前のこと。

初めてパリさんを見た瞬間に頭の中に浮かんだのは、
すげー! 流しって本当にいるんだ。
しかも若い・・・
ということだった。想像上の流しはなぜか「おじいちゃん」でしかありえなかったのだ。
その頃のぼくはというと、前の出版社で働きながら電子書籍をやりたい! 独立したい!という妄想と、
「そんなのムリだよ・・・食っていけないよ」 という現実の狭間で揺れに揺れていた。
そんなときに出会った、「流し」という想像もしえなかった方法でメシを食う男・パリさんに俄然興味がわいて、初対面にも関わらずたくさんの質問をした。
「いつからされてるんですか?」
「毎日流しをしているんですか?」
「流しって他にもいるんですか?」
「結構稼げるものなんですか?」
今にして思えば、無礼なヤツもいいところである。
でも、わきあがる興味を抑えられなかったし(
そんな無礼なぼくに対してもパリさんは優しく教えてくれた・・・・・・
と書きたいところだが、実際はそうではなかった。
パリさんは露骨にイヤな顔をした
今思えば当然だし(絡んでくる酔っ払いだし)、パリさんはこういう無礼なヤカラが大っ嫌いな人だし(とても品のある人なのだ、ぼくと違って)、初対面で土足でズカズカいきすぎたのは間違いない。
でも、このケンモホロロな感じがますますパリさんに対する興味をわきたてた。
その後も、何度も恵比寿横丁に飲みに行っては話かけ、回数を重ね、少しずつ仲良くさせていただくようになった。横丁で飲みながらパリさんの仕事を見ていると、
あぁ、この人は毎日闘っているんだ・・・
と思った(恵比寿横丁は酔っ払いの巣窟である)。
闘っているパリさんを横目に、ぼくはいつまでも独立を決断できずにウダウダとクダをまいていた。
<つづく>
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