インタビュー企画「特技でメシを食う」シリーズ。
ルールは至ってシンプル。下記の3つのみ。

1.特技でメシを食っている人にその極意を聞く。
2.質問事項は毎回、以下の5つに固定(本文参照)。
3.次にインタビューする特技メシな人をご紹介いただく「紹介制」を導入。

第3回目にご登場いただくのはメイクスマイルアーティストのミワンダフルさん。パリなかやまさんからのご紹介。


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ミワンダフル
メイクスマイルアーティスト。札幌出身。「メイクで世界を笑顔に!」をテーマにオリジナルのメイクブースを担ぎ世界を旅する活動「MakeUpTour」をはじめ、日本国内はもとよりパリ、ニューヨーク、台湾…など世界中のストリートでメイクを通じたパフォーマンスを行う。これまでに施してきたメイクアップは1万人以上。出会ってきた方達との対話の中から生まれた簡単でわかりやすりメイクテクニックは誰もが思わず笑顔になれる魔法のメイク。2015年6月26日には初の著書『メイクで世界中を笑顔に!』が全国発売に。小さな勇気で1歩を踏み出したい女性に笑顔を届ける本として話題になっている。
www.miwonderful.com twitter @miwonderful

メイクアップアーティストならぬメイクスマイルアーティストという自分だけの肩書をひっさげ、世界中の“普通の女の子たち”をメイクで3分とかからず笑顔にしてしまうミワンダフルさん。彼女を貫く1本の強大な柱である「メイク×笑顔=Happy」の方程式はどのようにして生まれたのか?

①あなたがメシを食べている特技は何ですか?

私の特技は「メイクスマイル」です。

「メイクアップとは違うの?」とよく聞かれますが、女性をメイクで美しくするという技術の部分は同じです。違うのは、私はその技術を使って、メイクした女性を「笑顔にする」という部分をとても大切にしているところ。一時期はメイクアップアーティストを名乗っていた時期もありましたが、「笑顔」が私の活動の核にあるので、今ではもうその肩書きに馴染めないんですよ。

なぜ、私がそこまで笑顔にこだわるかというと、人が心から喜んでくれるときの愛想笑いではない笑顔が大好きだからです。そう思うようになったきっかけは、私が学生の頃、人並みに悩みやコンプレックスを抱えていて、笑顔になれない時期があったから。そんな私だからこそ、今は悩んでいる女の子たちの気持ちが痛いほどわかるし、メイクで少しでも笑顔にできたらと思いますね。

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「メイクで笑顔に!」という活動をもう13年ほど続けていますが、最近よく思うのは「笑顔にこだわっているのは、じつは私自身が一番笑いたいからなんだな」ということ。私はいつもメイク道具を持ち歩いているんですけど、昨日も居酒屋で隣に座った初対面の女の子が興味ありそうだったから「メイクする?」と言って、その場でメイクしてあげたら、私も女の子も笑顔になって。そういうことが単純に好きなんですよね。

普段は会社の経営者とアーティストの両方の活動をしています。5年前に1人で立ち上げた会社Thanks Givingの商品は私、ミワンダフル自身です。だから、企画書をつくる、企業とコラボの打ち合わせをするといったプロデュースワークから、イベントのデコレーション、出演者まで何でも私1人でやっています。

「一体、何役やってるんだ?」って感じですよね(笑)。完全に1人イベント会社状態です。平日はほぼそのような状態で、土日はミワンダフルの代名詞でもある「ピンクフレーム」という高さ2.4メートル、重さ30キロはあるフレームをもって街中に出て、女の子たちにメイクするというパフォーマンスやイベントをやっていることが多いですね。

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②特技でメシを食っていこうと思ったキッカケは?

私は昔からメイクに興味があったわけではないんですよ。メイクの専門学校に行こうと思ったのは、当時、付き合っていた彼が美容師の専門学校に行くというから、「じゃあ私も同じ美容系でメイクの学校にしよ」という単純な理由でした。だから、メイクで身を立てようなんて全く思ってなくて、卒業後はその彼と結婚して主婦になろうと本気で思っていたんです。

でも、まぁ、色々なことがありまして(笑)、その彼とは専門学校2年生のときに別れることになりました。その原因の1つは、だんだんメイクが面白くなってきて、恋愛120%だった私がメイクのほうに没頭するようになってしまったことです。専門1年生の終わり頃にLAで「インターナショナル・コスメトロジー・エキスポ」という世界中からプロのメイクさんも参加する大会がありました。

私は「やった! 授業でLAに行ける!」と思って、それだけの理由で大会に出場したんです。入賞しようだなんて、これっぽっちも思ってなくて(笑)。まわりの子は前日に猛練習をしていましたが、私は数人の友人とせっかく来たLAの街を観光していたぐらいですから。ただ、私はメイクにはもともと自信があったし、やる以上は素敵なものを出そうと思って準備はしていきました。

 

出場したのが「イブニングクラシック部門」というフォーマルメイクやパーティドレスの部門だったので、日本の着物に洋のメイクを合わせることにして、全部大好きなピンク系で統一したんです。私は昔から色彩感覚やスタイリングは人から評価されていて、瞬時に決められるという特技があるんですよ。高校のときも文化祭でお店を出すとなったら、必ず装飾担当を任されていましたし。

それで大会に出たら、プロを押しのけて5位に入賞してしまって。ただ、それでもメイクに本気になったわけではなくて、その頃もまだ彼のほうが優先順位は上でしたね。メイクに没頭することになった一番のきっかけは卒業前にメイクとファッションを融合させたイベント「DOPE」を同級生10人で5か月間準備して、自主制作でやったことです。準備が長くて大変だったぶん、本番で味わった感動が凄くて……。

今であればイベントをやるとなったら、座組みや予算、期日などを全て逆算して実施しますが、学生の頃は何もわからなかったので無駄が多かったし、たくさん遠回りをしました。でも、だからこそみんなが本気だったし、やり切ったという思いも強かったんだと思います。それで完全にメイクの世界にはまって、結果的に彼とも別れることになり、メイクの世界で食べて行こうと思いました。

③特技を収益化するうえで、これまでにあった苦労や失敗は?

たくさんありますよ(笑)。私は専門卒業後にヘアメイクの会社に正社員として入社することが決まっていたのですが、DOPEの感動をまた味わいたかったのと、就職予定の会社の研修を受けたときに、まだ若くて生意気だった私は「自分の力をもっと試してみたい!!」という強い気持ちに気がついてしまって、内定を辞退したんです

同級生はみんな化粧品会社やメイクの会社に就職していきましたが、私は他に働く場所が決まっていたわけでもなくて。しばらくは卒業した専門学校で事務職の仕事や体験入学でのメイクショーやフリーペーパーの制作などをやりながら、何かできないかと模索する日々でした。その頃に“ミワンダフルの育ての親”である「札幌から世界に情報発信するオンライマガジン」SHIFTの編集長・大口岳人さんに出会ったんです。

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SHIFTのHPはこちら http://www.shift.jp.org/ja/

今もミワンダフルのクリエイティブディレクターを務めてくれている大口さんと出会ったことで、私は本格的にメイクのアーティスト活動をはじめるようになりました。その1つが「Dreamちゃん」と名付けたメイク屋台。これは文字通り、私がメイク道具を積んだ屋台を引いて、街行く女の子に500円でメイクするというもの。札幌PARCO前などで許可をもらってやっていました。

これが能動的にメイクを届けにいくという今の活動の原点になっていますね。メイク屋台は好評でしたが、私が美容師免許をもっていなかったので保健所に摘発されてしまい、約1年で中止することになりました。もう活動は諦めようかとも思いましたが、どうしても諦められなくて3年かけて美容師免許を取得しました。この期間を私は“暗黒の3年間”と呼んでいます(笑)。

ようやく前進したと思ったら、停滞を強いられているようで、とても辛い期間でしたね。でも、美容師免許を取得したことで「メイクを人に届ける」活動が全国どこでも堂々とできるようになりました。それからは「MakeUpTour」と題して日本中をメイクのイベントで駆けまわるようになって、その活動を見ていただいた方が面白がって声を掛けてくださり、今では北海道コカ・コーラさんなど大手企業とミワンダフルのコラボも実現できるようになりました。

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さらに、今は舞台を世界に広げ、大口さんが考案したピンクフレームを持って世界中の女の子をメイクで笑顔にする活動をしています。特技を収益化するという面では、今も金銭的にとても余裕があるというわけではありませんが、それよりも大変だったのは、私は独自路線を突き進んでいるので1人ぼっちというか、誰も信じてくれない状況でやるというメンタル面が大きかったですね。

その逆風のなかでも大口さんはミワンダフルの方向性を示してくれて、さらに私を信頼しきってくれました。彼と出会えたからこそ私はメイクスマイルアーティストとして活動をすることができているし、出会っていなかったら、間違いなく今のミワンダフルはいないと思います。心から感謝していますね。

④特技でメシを食うことの最大の喜びは?

人に喜ばれることが私の一番の喜びです。女の子は一重や顔の痣など、さまざまなコンプレックスを抱えているものだし、1人として同じ顔の子はいないので、どんなメイクが合うかはその子によって全く異なるんですよ。私はこれまでに1万人以上の女の子たちにメイクをしてきているので、初見の子でも、30秒ぐらい顔を眺めていると、どんなメイクが似合うかだいたいわかります

その子に一番似合うメイクをして、その子がコンプレックスに感じている部分を補う方法を教えてあげたりして、心から笑顔になってくれるときが本当にうれしいですね。コンプレックスに感じている部分もメイクの仕方によってはプラスの個性に変えることができると私は信じています。その方法を私に教えてくれたのは、これまでに出会った1万人以上の“普通の女の子”です。

あとは最近、『メイクで世界中を笑顔に!』(主婦の友社/2015年7月)という本を出したんですけど、本を読んだという40代の女性から手紙をもらったんです。そこには「メイクに悩んでいる。本やラジオであなたのことを知った。ぜひミワンダフルさんに会いたい」と書いてありました。自分を必要としてくれる人がいることが私に強力なパワーを与えてくれています。


私はとにかくメイクで女の子を笑顔にしたいと考えているので、最近では「ミワンダフルマーチ」という曲を自分でつくって、ショーやイベントでは歌って踊りながらメイクをすることがあります。笑顔にしたい、楽しませたいという一心でやっているんですが、「何あの子? 歌手でも目指してるの?」と陰口を言われることもたくさんありました。

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でも、その一方で、手紙やFacebookで応援メッセージをくれる人がいて、確実に喜んでくれる人がいると実感できることが私の心の支えになっていますね。曲をかけながら私自身も笑顔で楽しくやっていますが、メイクは女性の悩みに寄り添う責任重大な仕事だと思っているので、いつも真剣にやっています。

⑤特技でメシを食うための「あなただけの秘訣」は?

やりたいと思ったことを口に出して言うこと。言ったことは絶対に実行することですね。ただ、「特技で稼いで生活する」というと、どうしても独立や起業を考えると思いますが、私は形にこだわる必要は全くないと思います。独立したって偉くもなんともないですし。会社で働きながらでも、土日や平日の夜に時間があるわけだから、本当にやりたいことならやり続けることはできますよね。

そのうち、それが収益になる可能性だってある。大切なのは独立などの形ではなく、「本当にそれがやりたいことか」を見極めることです。独立するって、他人は「やっちゃいなよ!」と口ではいくらでも簡単に言えますが、実際は大変なことです。私に相談に来る子にも「お金が消えちゃうかもしれない、それでも本当にやる?」と聞くと、「うーん、やめる…」という子も結構いますよ。

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何よりも「やりたいことを日々やり続けること」が一番大事。人はつい怠けてしまうものだから、私だって今も闘っています。でも、言葉にして、それを実行に移していると味方になってくれる人が現れるものです。私は「wish coming true(願いは叶う)」という言葉が大好きで、「メイクで世界中を笑顔にしたい!」と言い続けていたら、去年、凄い方達との出会いがありました。

その方達と今はチームミワンダフルを結成して、また面白いことをやっていこうと思っています。まずは「東京で1,000人をメイクスマイルする」というキャラバンをはじめます。そのためにも今月、北海道から東京に拠点を移しました。東京でメイクできる場所を現在も探しているので、どこでも行きますので場所があったらぜひFacebookでメッセージを送ってください!

最後に、とにかく勇気がほしいという人には本を読むことをおすすめします。私も本にはたくさん勇気づけられてきました。その内の1冊が登山家の栗城史多さんの『NO LIMIT』。「私もやろう!」という勇気を与えてくれた本です。この本を読んで、「私もいつか本を出したい」と言っていたら、本当に実現したので、やっぱり「wish coming true(願いは叶う)」ですよ!



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―編集後記―

ミワンダフルさんほど会う前と会った後で印象が変わる人も珍しい。

取材前にYou Tubeや著書をチェックしていた私は、会う前は「ホンワリした女性」だと勝手に思いこんでいたが、実際に会ったミワンダフルさんは「頭のキレる経営者」そのものだった。

今年は東京での活動も本格化するようなので、ミワンダフルさんのメイクを一目見たい方はホームページで活動をチェックするか、街中で目印のピンクフレームを探してみよう。

代官山ブックス
廣田喜昭


「特技でメシを食う」シリーズ リンク
第2回 新田明臣さん(キックボクシング元世界チャンピオン/ジムオーナー)
第3回 ミワンダフルさん(メイクスマイルアーティスト)

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無料で読めるのでこちらからどうぞ。インタビューものです。

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hirota@daikanyamabooks.com/代官山ブックス 廣田

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