今日のYahoo!トップに取次の太洋社さんが破産したというニュースが掲載された。

出版取次の太洋社 破産決定
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160315-00010000-teikokudb-ind 



Yahooコメントを見ると、以前の栗田倒産のときと同様に「取次は悪者」「取次は出版界の目の上のタンコブ」と死人にムチを打つような論調が目立つが、そういうことではない

取次があったからこそ、ネットがなかった時代は地方の隅々の書店にまで本がいきわたり、大人も子どもも色々な本を楽しめたことは事実だし、現在もうちのような零細版元の本が全国に届けられるのも取次のおかげである。

確かに、現在は時代に合わない弊害が出てきているのも事実。ただ、出版界の片隅にいる僕は感謝の気持ちが大きい。


直接の取引はないものの、太洋社さん、今までお疲れ様でした。

日本の出版界を支えていただき、ありがとうございました。


さて、一呼吸置いたところで、今の僕の気持ちを書いておく。

世間では「また出版取次が潰れた。もうダメだ!」と、衝撃ニュースのような捉え方がされているようだが、このようなニュースで驚く気持ちはもう僕にはない。

誤解を恐れずに書けば、わかりきったことだからだ(以前のブログにも同様のことを書いた)。

「出版不況」というニュースに思うこと 出版社は紙屋なのか?
http://blog.daikanyamabooks.com/archives/1048650947.html


出版でメシを食っている会社および人で、このようなニュースに驚き、「ヤバイ! これからどうしよう!?」と今頃思っているようでは遅すぎる。ゆえに、そんな人はいないはずだ。


ニコ生のドワンゴと合体したKADOKAWAなど、どこも次のステップへと入っている。

僕は上のブログでも書いた通り、出版社の仕事・能力を因数分解して(30=2×3×5のように)、たとえば、出版=企画力×編集力×拡散力など、その出版社がどの分野で社会に貢献している企業かを考えなければならないと思う。

「企画力が強い出版社」、「編集がうまい出版社」と個性はいろいろだ。


出版社ごとに、その能力を極限最大化して、紙に対する偏狭的なこだわりは捨てて(「紙は捨てて」ではない)、社会に貢献していく。中途半端な能力、不要な能力は見切りをつけて、捨てていく。

それが出版社の生きる道だと思う。他に道はないとすら思う。

うちはと言えば、文章に特化して、日々ゴリゴリ磨き続け、社会に貢献していきたいと考えている。アウトプットの形にこだわりはない。逆に言えば、紙も電子書籍もWebも、本も雑誌もなんでもイケるのが強みだ。イメージとしては木の根から幹までが文章で、そこから枝別れしているものに紙や電子書籍、Webがある。


仕事・能力が因数分解化、細分化されていくとツライのは「仕事のデキない社員」である。

たとえば、「編集者」という曖昧な言葉ではなく、企画屋、文章屋、校正屋と、何で会社に、そして社会に貢献しているのかが、出版社だけでなく、社員個人も問われる時代がくると僕は考える。そのような一点突破スタイルになると、仕事が見える化されて、各社員の仕事の成功率が全て数値でデータ化されてしまうかもしれない。


そこからさらに発展して考えると、将来の日本企業は、社員が会社に「私は今月、○○をこれだけやりました」と請求書を発行して、給料(ギャラ)が振り込まれる時代になると予測する。

今は会社員でいれば、毎月決まった日に固定額がチャリンと振り込まれるわけだが、独立している人達はそうではない。この日にこの仕事をこの金額でやったから、何日までにこの口座に振り込んでくださいと請求して、初めて振り込まれる。

つまり、仕事・能力が因数分解化、細分化されていくと、社員も個人事業主のような仕事スタイル、請求スタイルになっていくのではないだろうか。


また、このニュースに関連して、電子書籍に関するものもYahoo!に出ていたが、これも後日ブログに書きたい。

電子書籍の利用率が2割弱で頭打ち、「利用意向なし」が増加、「関心なし」と合わせると6割以上に
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20160314_747958.html


ポイントは、プラットフォームを決めるのは利用者の意志ではない、ということ。

利用者がどうしたい、ああしたい、なんてハッキリ言って関係ないのだ。

わかりやすく言えば、スマホの普及って利用者(つまり、あなた)が望んだから生まれたものですか?ということ。

そういう話を今度詳しく書きたい。時代の動きは今日も変わらずドラスティックで刺激的である。


こちらもぜひ見てみてください!

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https://note.mu/dbooks/n/n2ebd673b9c98 


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